日本耳鼻咽喉科学会千葉県地方部会および千葉県耳鼻咽喉科医会について
日本耳鼻咽喉科学会千葉県地方部会は、日本耳鼻咽喉科学会(以下、日耳鼻)の下部組織に当たります。また千葉県耳鼻咽喉科医会は、日本医師会の下部組織である千葉県医師会の関連組織です。日耳鼻千葉県地方部会は学会組織であり、日耳鼻の事業に参加協力すると共に、人々の健康の保持および増進に寄与し、併せて会員の向上と互助親睦を計ることを目的としています。また千葉県耳鼻咽喉科医会は医師会の組織として、耳鼻咽喉科医療の充実と千葉県民の健康福祉の向上、会員の福祉と親睦を目的として活動するとともに、日本臨床耳鼻咽喉科医会の活動に協力しています。両者は独立した組織ですが目的を一にすることが多く、また会員の多くが重複していることから、協力し合い活動を行っています。


「沿革」
 千葉県内の耳鼻咽喉科医の組織は、明治40年に千葉医学専門学校(千葉医科大学、千葉大学医学部の前身)内に耳鼻咽喉科教室が創立された後、程なく結成されたようです。その後徐々に組織として拡大発展し、昭和12年、戦時中にもかかわらず「千葉耳鼻咽喉科会」として創立総会が開催され(会長は久保護躬千葉大学耳鼻咽喉科教授)、同年「千葉耳鼻咽喉科会々報」第1号が創刊されました(昭和49年の日耳鼻の組織改変に伴い、同年23号をもって終了)。その後昭和37年に「日耳鼻千葉県支部」が並列的に設立され(支部長は北村武千葉大学耳鼻咽喉科教授)、千葉耳鼻咽喉科会と日耳鼻千葉県支部は表裏一体の関係を保ちながら活動を続けてきました。
 以後も両者相俟って活発に活動を行ってきましたが、昭和49年に日耳鼻の組織改革がなされ、日耳鼻千葉県支部が「日耳鼻千葉県地方部会」と改変されたことにより、昭和50年に第1回日耳鼻千葉県地方部会と第54回千葉耳鼻咽喉科会が合併して開催されました。以後は、日耳鼻傘下としての地方部会が活動の中心となり、日耳鼻本部と緊密に連携をとりながら、同時に千葉県地方部会としての独自性を発揮させつつ活動を行ってきました。昭和51年には「日耳鼻千葉県地方部会会報」が創刊され、現在まで年2回の発行が続けられています。初代日耳鼻千葉県地方部会々長には北村武先生(千葉大学教授)が就任され、第2代会長金子敏郎先生(千葉大学教授)、第3代会長今野昭義先生(千葉大学教授)、第4代会長神田敬先生(千葉市)、第5代会長山本昌彦先生(東邦大学教授)を経て、令和3年7月に花澤豊行先生へと地方部会長が引き継がれています。発足以来、会の発展に伴って会員数は増加の一途をたどっており、現在では正会員 374名、準会員 16名(令和3年8月10日)となっています。
 一方、医師会や医学会を取り巻く社会情勢の多様性に対応すべく、他県の動向等も勘案した上で、また千葉県医師会からの要請もあり、平成15年に「千葉県耳鼻咽喉科医会」が結成されました。初代会長には寺尾彬先生(柏市)が就任され、第2代会長浅野尚先生(香取市)を経て、平成22年6月より永田博史先生(山王病院)が会長を務めています。

「現在の活動について」
 現在、日耳鼻千葉県地方部会では、学術講演会を1月と7月の年2回開催しており、7月には総会を併せて行っています(令和3年7月に第98回学術講演会を開催)。毎回、一般演題の発表と、講師を招いての特別講演があり、時により臨床的なトピックスに関するパネルィスカッションなどを行っています。また、年2回「日耳鼻千葉県地方部会会報」を発行しており、令和3年7月には第89号が発行されました。さらに、日耳鼻補聴器相談医のための補聴器講習会を開催し、補聴器相談医の育成と資格の認定・更新を行っています。
 千葉県耳鼻咽喉科医会では、会員の向上を目的として、年数回の学術講演会を開催しています。毎回2名前後の講師を招いて、最新の医学知識について勉強を行っています。また、開業医と病院勤務医が協力して「千葉めまい・平衡障害研究会」を、病院勤務医が中心となって年2回「千葉頭頸部腫瘍研究会」を開催しています。
一般の方々を対象にした活動では、日耳鼻千葉県地方部会では千葉県耳鼻咽喉科医会の協力のもと、毎年3月3日前後の日曜日に「耳の日」の事業を行っています。補聴器相談医による「耳の健康に関する相談会」や市民講座などを行い、難聴で悩んでいる方々の相談や、一般の人びとにも耳の病気のことや、健康な耳の大切さを知っていただくための活動を行っています。