日本耳鼻咽喉科学会千葉県地方部会会長挨拶
日本耳鼻咽喉科学会千葉県地方部会会長
千葉県地方部会 会長 花澤 豊行


 令和5年7月より2期目の日本耳鼻咽喉科学会千葉県地方部会長を務めさせて頂くこと
となりました花澤豊行です。微力ではありますが、会員の皆様にお力添え頂きながら、引き
続き千葉県地方部会をより発展させる所存でおります。どうかよろしくお願い申し上げます。
 本地方部会規則において本会の目的は、一般社団法人日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の
目的を達成するための事業に参加協力し、耳鼻咽喉科学の進歩向上に貢献すると共に、地域
住民の疾病の治療および予防、健康の保持および増進に寄与し、併せて本会会員の向上と互
助親睦を計ることを目的とするとされています。この使命を達成する上で私が最も重要と
考えるのは、地域住民への医療提供に必須となる大きく密な医療連携の構築です。住民の最
も身近に存在する診療所に始まり、地域医療を支える病院施設、更に高次医療を提供する大
学関連病院と専門病院がしっかりと連携してそれぞれの役割を認識しながら安定した医療
を提供できることが何よりも大切だと考えています。千葉県には8つの大学関連病院と2つ
のがんセンター、そしてこども病院1施設が存在しています。これら高次医療提供機関の医
師同士が先ずはしっかりと連携した上で、地域ごとの病院および診療所の先生方と協力し
て地域住民を如何なる状況でも守れる診療体制の構築こそが千葉県における医療連携のあ
るべき姿と考えます。
 この医療連携から提供される診療レベルを継続的に向上させることも本地方部会の大き
な役割の一つだと考えています。千葉県地方部会においては、年に2回の学術講演会が千葉
市にて開催されており、既に開催回数は100回を超えています。若手の先生からベテランの
先生方までが集い、新規治療法の情報提供、希少な疾患や難治性疾患への対応について学ぶ
場を提供しています。千葉県は広く、耳鼻咽喉科医としての会員数は全国で8番目ではあり
ますが、県民一人当たりの医師数は未だ下位であることから、耳鼻咽喉科医師一人への責任
と期待は大きいものと考えます。日々の診療に追われ多忙な先生方や妊娠中・子育て中の先
生方でも地域差なく満遍に学ぶ機会が得られるようにリモートで参加できるスタイルも加
えて開催しています。
 日本全国の課題である高齢化対策としての健康の維持と増進、そして少子化対策として
の安心できる子育て環境を支えるためには、個々の会員の先生方と密に連携を取り、包括的
な耳鼻咽喉科の診療体制を構築することが必須です。本学会が掲げる耳、鼻、口腔・咽頭、
喉頭、気管、食道、頭頸部と広範囲にわたる領域において新生児から老人の方までの多彩な
疾患の診療に関わりながら、耳鼻咽喉科専門医の育成と、学問・研究の推進および新しい診
断・治療法の確立に努め、国民の健康と医療の将来に貢献するという学会声明を千葉県に広
く展開して参ります。会員の皆様のご協力とご支援を頂戴しながら尽力させて頂きますの
で、何卒よろしくお願い申し上げます。